A Fistful of Films

一握りの映画のために...

Cannes vs. Netflix:第一ラウンド?

カンヌがネットフリックス作品の出品を来年度から取りやめることになった。カンヌは、同映画祭への出品条件として、その作品の映画館での上映を義務づけた。具体的には、フランス国内の映画館で上映される必要があるという。これは半ば強引な方策といえよう。カンヌの思惑は明らかだ。すなわち、映画祭からネット&スマホ時代の「動画」を(永久)追放すること、これである。この旧態依然ぶりと頑固さ。なるほど、いかにもカンヌらしい。「フィガロ」や「ル・モンド」などの現地仏紙はどう論評するだろうか。今年はパルムドールよりもこちらのほうが議論の的となるでは。

カンヌ主催者はネットフリックスに映画館での上映を要請したが、先方は動画配信サービスであるためそれを拒否した。映画館側も動画配信用の作品を上映することには気が進まないのだろう。だが、ネットフリックス、Hulu、アマゾンプライムビデオも、ゆくゆくは「ネット」や「ビデオ」などの名を取り払うか別部門を立ち上げるかして、動画配信ではなく映画館上映のための作品製作に乗り出しそうな気がする。とくに「アマゾンスタジオ」なるものを有するアマゾンは、巨大資本でそれをさらっとやってのけるのではないか。宇宙ロケットを開発できて映画を製作できないわけがない。

カンヌとネットフリックス。言うまでもなく、カンヌは映画原理主義の権化だから、両者の関係は水と油のようなものなのだろう。ところが、今年の同映画祭には2本のネットフリックス作品が出品されている。わたしはそこに驚きを隠せなかった。あの天下のカンヌがネットフリックス作品の出品を許したとは。とはいえ、上記の決定により、それも今年限りで見納めとなった。そもそもカンヌ映画祭は、一般的な映画ファンのためのものではなく、コアな業界向けのお祭りでありマーケットだから、このような締め出しは仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。

さて、ベネチアとベルリン、ひいてはモスクワ、ロカルノモントリオールトロントなどはどう出るか。20世紀的な身振りに徹したカンヌだけが取り残される事態になるのか。ひとまずカンヌとネットフリックスの攻防は始まった。これを第一ラウンドとするなら、つづく第二ラウンドのゴングが鳴るときはくるのだろうか。遠目に様子を見ていこう。

 

http://www.afpbb.com/articles/-/3127897