A Fistful of Films

一握りの映画のために...

ボールペンは二度死ぬ

先週、Amazonでボールペンを二ついっぺんに注文した。メーカーはクロスとファーバーカステル。いずれも舶来品だ。とはいえ、とびきり高価というわけではない。前者は「イージー・ライター」、後者は「グリップ2011」というシリーズのもの。それぞれ2000円ほどで買えたから、外国製メーカーのものとしては比較的安い買い物ではないかと思う。が、どちらも買ってから二日と経たないうちに手放すことになってしまった。4月から早々とこんな憂鬱な日々を送ることになろうとは。

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第70回カンヌのポスターにC.カルディナーレ

今年のカンヌのポスターに若き日のクラウディア・カルディナーレ(C.C.)が起用された。元となった写真が撮られたのは1959年。『上と下』でM.ドモンジョと共演した年だ。翌年には『若者のすべて』に出演する。つまりこの写真はカルディナーレの輝かしいフィルモグラフィの始まりを告げている。それから5年も経たないうちに、ヴィスコンティ最大ののミューズとなり、L.コメンチーニ(『ブーベの恋人』!)やF.フェリーニの作品に出演し、M.ヴィッティ、S.ローレン、S.マンガーノらとももに60年代のイタリア映画史を担っていくことになる。そう思うと妙に感慨深い。

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「コルシア書店」再訪:須賀敦子について

かねてから須賀敦子を尊敬してやまない。翻訳者やイタリア文学者以上に随筆家としての彼女を。その文章に初めて触れたのは学部生の頃だった。どうすればこんなに美しく聡明な文章を書けるのだろう。率直にそう思った。その思いは今でも変わらない。あれからおよそ5年が経過してもなお、読むたびにそんな感嘆がページの端々から訪れる。須賀敦子は日本でもっとも美しい文章を書く作家だ、とこれまでに周りの友人に何度言ったことか。

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ロバート・クレイマー特集再び

来たる5月に渋谷イメージフォーラムロバート・クレイマー特集が開催されるらしい。特集タイトルは「アメリカを撃つー孤高の映画作家ロバート・クレイマー」。Twitterでその情報を目にした瞬間、わたしの心のなかには歓喜にも似た感情がしばらく湧いた。とはいえ、その時期に東京と同じように名古屋でかかるはずもない。東京のシネフィルはさぞ贅沢なゴールデンウイークを過ごすことになるのだろう。羨ましいかぎりだ。

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