A Fistful of Films

一握りの映画のために...

伊藤大輔と加藤泰のレア作品

新しい月になると、BSプレミアムの映画カレンダーを自ずとチェックしてしまう。月替わりのささやかな「ゲームの規則」だ。あまりにも気が早いが、二か月先の放送ラインナップを見て驚いた。ページのいちばん下に幻の映画があるではないか。それも二本も。伊藤大輔の『この首一万石』、そして加藤泰の『炎の城』。いやはや、これには参った。

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パゾリーニの「呪われた部分」:1975→2017

誰もが知るパゾリーニのあの事件が、発生から40年以上の時を経て新展開を迎えている。新たな証言により、これまでの定説とは別の可能性が浮上してきたのだ。なるほど、21世紀の今となっても、パゾリーニの不吉さは尾を引いているらしい。

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テレビでパゾリーニはいかが?

16日の深夜、NHKBSプレミアムピエル・パオロ・パゾリーニの『奇跡の丘』(1964、イタリア=フランス)が放映された。この放映は8月の時点からずっと楽しみにしていた。テレビでパゾリーニが放送されるだって? 誰もがそう思っただろう。しかも民放のBSである。有料の映画専門チャンネルではない。現にTwitter上ではシネフィル(のような人たち)が浮き立ってはいなかったか。わたしもパゾリーニが放送されることに一抹の驚きと喜びを禁じえなかった。思えば、DVD-BOXやブルーレイが出ているとはいえ、パゾリーニは長らくテレビから遠く離れた存在だった。『奇跡の丘』放映の「奇跡」!

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シネフィルWOWOWのこと

映画チャンネル「イマジカBS・映画」がWOWOWの傘下になったことで「シネフィルWOWOW」へと生まれ変わる。それにしても「イマジカBS・映画」とはなんとダサいチャンネル名だろう。まあ、そこは百歩譲って良しとしよう。わたしが気になったのはむしろ「イマジカ」の部分だ。調べてみると、かつての「シネフィル・イマジカ」ではないか。いつの間にチャンネル名を変えたのか。何年か前から見なくなったうちに、この最良の映画チャンネルは色んな変遷を辿っていたようだ。

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トビー・フーパー追悼

悪魔のいけにえ』『ポルターガイスト』『スペースインベーダー』のトビー・フーパー監督が今月の26日に亡くなった。代表作の『悪魔のいけにえ』を除く複数の作品が敏腕プロデューサーのもとで製作されたせいか、『ポルターガイスト』はいわゆる「スピルバーグ帝国」を建設中のスティーヴン・スピルバーグに、『スペースインベーダー』はキャノン・フィルムズのメナハム・ゴーランに、映画監督としての名声を乗っ取られた感がなくもない。とくに『ポルターガイスト』にあっては、スピルバーグの映画と勘違いしている人が21世紀になっても後を絶たない。 

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Cannes vs. Netflix:第一ラウンド?

カンヌがネットフリックス作品の出品を来年度から取りやめることになった。カンヌは、同映画祭への出品条件として、その作品の映画館での上映を義務づけた。具体的には、フランス国内の映画館で上映される必要があるという。これは半ば強引な方策といえよう。カンヌの思惑は明らかだ。すなわち、映画祭からネット&スマホ時代の「動画」を(永久)追放すること、これである。この旧態依然ぶりと頑固さ。なるほど、いかにもカンヌらしい。「フィガロ」や「ル・モンド」などの現地仏紙はどう論評するだろうか。今年はパルムドールよりもこちらのほうが議論の的となるでは。

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ホークスの『男性の好きなスポーツ』が放送されるという事件

2日のBSプレミアムで、満を持してハワード・ホークスの『男性の好きなスポーツ』が放映された。これまで受容の機会に恵まれなかったことを考慮すると、どれだけ多くのホークス好きがこの鑑賞を待ち望んでいたことか、想像に難くない。これはまちがいなく今年もっとも貴重かつ喜ばしい映画放送のひとつだろう。「事件」と言ったっていい。いまのアパートに録画機器がないので、今回は実家の両親に録画を頼んだ。しっかり録画してくれているかどうか。もし録画ミスでもしたら、きっとそのときのショックは計り知れない。この週末は学会で関西に出向いているので、作品はその帰りに実家に寄って見ようと思っている。

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